International Dental Clinic(国際歯科) の日記
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勝てそうで勝てないのはなぜか?
2021.03.17
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世の中にはうまく立ち回る人間は結構いる。しかし、そういう器用な奴は大抵、最後にはぱっとしない人生で終わるものである。世に器用貧乏というのだろうか。殆ど大成せずに終わるのが世の常である。なぜだろうか。
我々医療業界というのは、言ってみれば女の職場である。男は大抵、裏で偉そうに指示しているだけである。実際に患者の世話をするのは看護婦である。だから、女に嫌われては、そもそも仕事にならないのである。昔、流行っていた歯科医院の先生は、腕が良いというより、女遊びをしていたような先生がものすごく流行ったものである。あいつらは、女を使いこなす術を心得ていたからに違いないのである。わしは、その点、からきし駄目だった。不器用もいいところだった。当然、好かれるわけもなかったのである。だから、女遊びをしまくって、アシスタントの女の子をうまく使えるやつを見ると、ものすごく、悔しい思いをしたものである。あいつらは、女を食って食って、食いまくって、その上、歯科医院も繁盛しとるんだな、と思うと、もう悔しいやら、自分が情けないやら、羨ましいやら、どうしようもなかったのである。
しかしながら、悔しい思いをしたせいか、段々とツボが分かってきたのである。
勝てそうで、勝てないのは、物事の思考が点と点で終わっているからである。まるで、フェニキア人が商売にだけしか価値を見出せなかったように。一方、勝者側のローマ人は商売だけに価値を見出していたのではなく、それ以上に、自分たちの文明を作り上げることに最大の価値を見出していたのである。だから、ギリシアローマ文明は今日に至るまで、燦然と輝いているのである。彼らの支配した地域は点と点を結んで線にしているのである。一方、カルタゴのそれは点と点だけである。ギリシアも又、ローマに敗れたが、ギリシアは文化の点ではローマを圧倒したのである。だから、ギリシアはローマから尊敬され、滅亡することもなかったのである。
ハンニバルがわざわざ、巨大な象を引きつれて、アルプスを越え、ローマの背後に回り、自国のカルタゴと両方でローマを挟み撃ちにしようとしたにも関わらず、本国のカルタゴは商売にだけ、地道を上げ、動こうとしなかった、結局それがローマに敗れた敗因なのである。
わしがカルタゴの興亡を見て、日本と重なるのはまさに、このところである。経済だけでは駄目なのである。これをアメリカと比べれば良くわかるのではないだろうか?アメリカは経済もさることながら、軍事、政治外交においても、他国に抜きんでているのである。文化の多様性においてでもある。それで、パックスアメリカーナを実現しようとしているのである。日本はただ、経済だけである。これでは、明白に勝てないのである。