International Dental Clinic(国際歯科) の日記
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はぐれ雲
2016.06.11
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私は、なぜか分からないが常にはぐれ雲である。みんなが行く道には馴染めず、気が付けばみんなと正反対な道ばかり歩んでいる。そして、いつも騙されてばかりいる。それが宿命なのか分からないが、得か損かで言えば、間違いなく損である。夏目漱石の「坊ちゃん」ではないが、親譲りの無鉄砲で、子供の時から、損ばかりしているのである。
「坊ちゃん」では、それから、悪童に2楷から飛んでみろとか言われて飛び降りたら大けがをしたと続くのだが、私の場合は、間抜け呼ばわりばかりであった。幼稚園の学芸会では、いつも、あほみたいな役ばかりやらされた。上の兄貴はすごかった。楠正成とかどこかのお公家様みたいな役ばかりであった。下の弟もいつも主役級であった。というのも、そこの幼稚園は元々、親父が深くかかわっていたらしい。初代園長と親父とは兄弟である。だから、学芸会で一番良い主役は当然なのである。しかし、私はお猿の籠引きだったり、蜜蜂だったり、ろくな役はやらせてもらえなかったのである。しかし、その時はそれが当たり前だと思っていたので、何の妬みも感じなかったのである。
でも、そういう経験をしたからだろうか、なんとなく、人の痛みに敏感になってしまったのかもしれない。私は自分のことよりも、自分が好きな相手が幸せになってくれれば、それで満足であったのである。
後年、そういったお人良しのせいか、騙されてばかりいる人生をひたすら歩かされる運命になってしまった。
そして、今でも、本当に自分の好きな相手が幸せになってくれれば、それが自分の幸せに思えてしまうのである。だから、要するに自分が好きか嫌いかが非常に重要なのである。それはある意味では非常に勝手の良い感情である。そして、後年、他人は所詮、自分のことを真っ先に考えるものだということを、嫌というほど思い知らされるのである。
そして、そこから、私は、人の為に骨身を削って働いても、相手にその気がなければ、ただ利用されるだけだという当たり前のことを学んだのである。