International Dental Clinic（国際歯科） | 日記 | それは明日の心だ。日本再生への提言。～新幹線神話から脱却せよ。

北海道新幹線が振るわないそうである。やっとの思いで青函トンネルを完成させて、新幹線を走らせても、２０パーセントの乗車率しかないそうである。これではいかに新幹線といえども、やってられないわ、ということになるだろう。
思うに、私は一つの新幹線神話という成功体験から日本もまだ、脱却していないのではないかと思うのである。新幹線が誕生してから、もう半世紀は経っているはずである。それが今や、中国にも日本とそっくりな高速鉄道があるのである。
話は逸れるが、中国がいくら、この自分たちの高速鉄道が日本の物真似ではないと主張しても、見る限りそっくりそのままなのはどういうわけなのだろうか？どう見てもあれは日本の新幹線の車体そのものではないか！
私は何も国粋主義者ではない。取り立てて日本びいきをするつもりもない。しかし、あれは笑える。真似したなら、真似したと言えば良いものを、頑として自分達が独自で開発したと言い張るから腹の底から笑けるのである。そもそも、日本は物真似の天才である。日本の漢字は勿論、ひらがな、カタカナだって、源流は中国産である。しかし、そう言って公言しても何ら恥だと思わない。それで良いではないか！源流は物真似でも、それを遥かに超えれば、それは立派な創作と同じことだと私は思うのである。

話を戻そう。いつまで、日本も新幹線という成功体験にしばられているのだろう。新幹線は北海道に限らず、うちもうちもの引っ張りだこである。しかし、新幹線は、もう、結構ではないだろうか？ちょっとぐらい早く走れても、それに見合うだけの費用対効果がなければ無意味である。だいぶ前だが、「狭い日本、そんなに急いでどこへ行く」という標語があった。ちょっとぐらい遅くても在来線で結構ではないかと思えるのである。しかも、今の近代化した車体なら、十分速いはずである。全ての区間を全て、新幹線にする必要がどこにあるのかと言いたくなるのである。しかも、莫大な国家予算を投じてまでもである。まさに、「狭い日本、そんなに急いでどこへ行く」である。もっとも、日本でも全ての山を含めれば結構、広いというか広大な面積をほこっているわけだが。

日本人はいつも、そうである。すぐ、うぬぼれるのである。日清、日露で勝ったからと言って、日本軍が最高だと思い込み、今度はとんでもない相手に戦争をしかけたのである。つまり島国であるが故の悲しい性（さが）、井の中の蛙、大海を知らない。日本には天然の堀がある。元でも征服出来なかった、海という最高の堀に囲まれていたが故に、他国に攻め入られるという歴史を持っていない。つまり、他国との比較が今でもできないのである。だから、必要以上にうぬぼれたり、逆に必要以上に自分を卑下することになるのである。

もう、新幹線はここらあたりで打ち止めにしたら、どうだろうか。もっと、もっと、予算の使い道はいくらでもあると思えるのだが。日本ももっと、多様的な考え方ができないものだろうか？方法は果たして、ひとつだけだろうか？日本人は常に、右か左かに揺れ動くのである。原発にしてもしかりである。新聞の論調などは、既に、原発は悪いものであると決めつけている。しかし、それはおかしい。メリットは何もないのか？簡単に例をだしただけでも、原発は、二酸化炭素を出さない今のところ考えられる唯一の実現可能な電力源なのである。最近までは、メディアも、あの福島の原発事故前までは、少なくとも、原発が悪だとは言っていなかった。政府も馬鹿みたいに安全だ、安全だ、絶対に事故など起こるわけがないと言っていたのである。しかし、そもそも、原発が安全であるわけがないのである。なぜなら、原子爆弾と同じだからである。ただ、原子爆弾はブレーキがないのに対して、原発は、鉛の棒を使って、核反応を制御しているにすぎないだけである。

話はまた、逸れてしまったが、もっと、日本も多様的な価値観を見出していくことが日本再生に繋がるのではないだろうか。狭い成功体験だけにうぬぼれていると、とんでもないしっぺ返しを食らうことになるのは必至である。そして、そこにこそ、日本の脆弱性があると思うのである。